としまのまちを知りつくした 「IKE BUSおじさん」 バスでめぐり、人とつながる、 その生き方【前篇】
OVERTURE
「IKE BUSおじさん」の愛称で親しまれる、IKE BUSの添乗員である城所さん。としまのまち・ひとに詳しい城所さんから、としまの魅力やIKE BUSへの想いを伺いました。
としま未来文化会議座長・東京都ユネスコ連絡協会理事をはじめ、20近くの団体やネットワークに所属。ひとのつながりを大切にしながら、としまの持続可能な未来の実現のために精力的に活動している。
「出発進行!」。豊島区内を走るまちなか交流バス・IKE BUS内に響きわたるこどもたちの号令。IKE BUS名物とも言われる添乗員の城所信英さんが、今日もにこやかに声をかけながら、まちをめぐります。
城所「IKE BUSは路線を巡回するだけでなく、貸し切りで園児の送り迎えや豊島区の名所をめぐる『IKEBUSアトカルツアー』を行っています。今日は区内保育施設の活用事業の一環で、サンシャイン水族館までの送り迎えです」
窓の外の景色に興味津々なこどもたちが元気いっぱいに手を振ると、消防員や商店街の店員、池袋に遊びにきた学生も思わず笑顔に。その中には、城所さんと縁深い人もたくさんいます。
城所「20近くの団体やコミュニティで活動しているから、街のお米屋さんや文房具屋さんをはじめ、たくさんの人とつながっているんです」
「この花は何の花?」「上り坂だ!IKE BUSを応援しよう!」園児たちも楽しそうにおしゃべりに興じています。IKE BUS・No.1ドライバーの篠田さんと一緒に園児を目的地に送り届けると、城所さんがIKE BUSについて教えてくれました。
城所「もともと欧州のトラム(路面電車)のような、街に魅力的な彩りをそえる乗り物に興味がありました。
しかし豊島区の場合、より路線の自由度が高いバスのほうが実際的だと思っていました。
そんな折に、高野之夫豊島区長のイニシアチブのもと、インダストリアルデザイナー・水戸岡 鋭治氏にもご協力をいただき、
グリーンスローモビリティ※を活用した魅力的なIKE BUSの運行が実現したのです」
城所さんによるとIKE BUSは1号車から10号車まで、すべて内装が異なり、7号車にいたってはラッキーセブン・幸せの黄色の車体になっているとのこと。さらには、車窓から見えるスポットも、日本一高いスカイツリーと世界一高いごみ焼却場の煙突が左右に見れるポイントや、こどもが喜ぶサッカーボールのオブジェなど、知られざる名所がたくさん。
城所「IKE BUSの活動は生きがいですね。楽しいし、エネルギーをもらえるんです。大学時代は応援団をしていたこともあって、話すことは好きです。一番適任だからやってくれ、と運営を任されました」
バスに乗る人も、街で過ごす人も、みんなを明るく笑顔にする城所さん。
後編では豊島区・大塚で育った城所さんに豊島区への想いを伺います。
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