地域のつながりの拠点 区民ひろばから「元気」を発信
OVERTURE
地域の人々と協力し、畑づくりに取り組んでいる「区民ひろば千早(NPO法人はばたけ千早)」。事務局長を務める城さんに、活動の詳細や区民ひろばの将来の展望について、お話を伺いました。
豊島区の保育園・高齢者施設「ことぶきの家」に勤務し、45年以上、まちで暮らす人々に寄り添う。現在は区民ひろば千早の事務局長を務め、畑部会をはじめユニークな活動を進める。それだけでなく、地域の講演会などにも登壇し、自身の人生における体験談を語るなど、幅広く活動している。
地域住民の憩いの場として、豊島区の各所に設置されている区民ひろば。なかでもユニークな活動に取り組んでいるのが、区民ひろば千早です。(NPO法人はばたけ千早が運営しています。)
建物の裏手には、太陽の光を浴びて輝く、青々とした野菜畑が広がっています。
城「畑そのものを作ったのはおよそ16年前。そこから立派な土壌ができるまで、3年はかかりました」
そう語るのは、区民ひろば事務局長の城さん。ここに至るまで多くの苦労があったそうですが、口調はどこか楽しげです。
城「最初はとにかく雑草が多くて。知り合いから耕運機を譲り受けて耕したりして、少しずつかたちを整えていきました。空き地の埋め立てや住宅の建設で地面を掘り起こすときには、『畑部会』のメンバーと一緒に黒土をもらいに足を運んだり。堆肥づくりのために、メンバーが城北公園まで落ち葉拾いに行ってくれたこともありましたね」
「畑部会」以外にも、区民ひろば千早では数多くのイベントを開催しています。親子で行うピラティスや、認知症予防のための体操など、さまざま。コロナ禍においても、密を避けるためにイベントの実施日を分けるなどの対策を行い、活動を継続してきました。今では1日に100人以上が訪れており、少しずつにぎわいが戻りつつあります。
城「何より嬉しいのは、地域の方の『来てよかった!』という言葉を聞けた瞬間。充実した体験を届けられるのは、職員みんなが楽しみながら、一致団結して仕事に取り組んでいるからこそだと思います。区民ひろばを拠点として、職員と地域の人々、教育機関、さらには行政まで、横のつながりを広げ、より良い相互作用を生んでいくことがこれからの目標です」
取材に応えながらも、終始職員の方への気配りを忘れず、穏やかに微笑む城さん。城さんが理想とする横につながった区民ひろばが実現する日は、遠くないでしょう。
関連するSDGs