まち全体が、 みんなの「キャンパス」。 文化が生まれる「場」、 まちなか教室の魅力に迫る
OVERTURE
豊島区は区内にある7大学と包括協定を締結し、区民の学びの充実と地域づくりのための事業を展開しています。なかでも大正大学は、地学協働によるひとづくり・まちづくりを実現する「すがもオールキャンパス」というプラットフォームを構築しています。「おばあちゃんの原宿」と言われる巣鴨の中心地、巣鴨地蔵通り商店街で繰り広げられる取り組みについて、大正大学の魅力化推進部・髙橋慈海さんと落語家・立川志ららさんに伺いました。
Profile
大正大学
TAISHO University
2026年に設立100周年を迎える、6学部・10学科を設置する大学で、地域・社会に貢献する人材育成をめざしている。豊島区とは地域共創に関する協定を2014年に締結し、教育・産業・生活に関する、年間100近い取り組みを実施。巣鴨のまちに根付き、地域を活性化するべく産学官民連携の取り組みを進めている。
降り続く雨のなかでも、多くの人が訪れる「巣鴨地蔵通り商店街」。通りのあちこちから、活発な声が聞こえてきます。巣鴨駅近くにあるこの商店街は、大正大学がつくるプラットフォーム「すがもオールキャンパス」の舞台でもあります。
髙橋 「大正大学では、産学官民一体となり地域課題の解決を目指しており、新しい価値創造を行うべく2018年に『すがもオールキャンパス』の構想を掲げました。コロナ禍で学生が大学に来られない時期もありましたが、大学のキャンパスだけでなく、地域でも新しい挑戦ができる場を設けるべく再始動しています」
10月には巣鴨を舞台としたAR謎解きイベントを開催。また巣鴨地蔵通り商店街には、まちを学びの舞台とする「すがも街なかキャンパス」とし6施設を展開しています。
髙橋 「落語カフェ『ガモール志學亭』も、すがも街なかキャンパスのユニークな取り組みの1つ。このカフェには自由にワークショップができるスペースがあり、お茶を楽しみながら多くの刺激を感じることができます」注目の取り組みは「落語」。店長で落語家である立川志ららさんを中心に、月に3回ほど、演目を披露しています。店内にはお客さんでいっぱい。通りすがりの人たちも、ガラス張りのドアから見える落語の様子に興味津々な様子です。
立川 「事前予約不要でふらっと落語を聞けるところが魅力ですね。リピーターの方も多く、お客さん同士で『次回いつ来るの?』といった会話をお聞きすることも。ちょっとしたつながりが生まれているのも嬉しい限りです。文化と気軽に出会う、きっかけの場になってほしいなと思います」
立川 「事前予約不要でふらっと落語を聞けるところが魅力ですね。リピーターの方も多く、お客さん同士で『次回いつ来るの?』といった会話をお聞きすることも。ちょっとしたつながりが生まれているのも嬉しい限りです。文化と気軽に出会う、きっかけの場になってほしいなと思います」
巣鴨のまちで笑いと文化を発信していきたいとスタートした落語カフェですが、今では「文化」を発信しながら、新たに認知症予防の取り組みも始めるなど、区民が学ぶことができる貴重な「場」にもなっています。
大学のみ、区のみに留まることなく、外とのつながりを生まれる場所へ。
まちの未来をつくる取り組みは加速しています。
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