小学生がまちの商店街を駆けて、 みんなが応援する。 地域と共にある持久走が、 豊かな心と体を育む
OVERTURE
東京都豊島区駒込にある豊島区立仰高小学校では、ビオトープの活性化やSDGsに関する作文や物語を児童から募る「夏のコンクール」を行うなど、SDGs達成に向けた取り組みを進めています。今回は年に一度開催される、巣鴨の地蔵通り商店街での持久走を取材。新井裕校長先生にお話を伺いました。
Profile
豊島区立仰高小学校
Gyoukou primary school
豊島区立仰高小学校は、東京都豊島区駒込にある公立小学校。2021年11月には、開校145周年を迎え、豊島区の中でも最も長い歴史と伝統がある。ISS(International Safe School)を認証しており、安全・安心な教育にも力を入れている。
ごーん ——。鳴り響く鐘の音を合図でスタートを切る小学生たち。とげぬき地蔵尊・高岩寺の鐘の音で、「巣鴨地蔵通り持久走2021」が始まりました。
普段は買い物客でにぎわう「巣鴨地蔵通り商店街」ですが、この日は一風変わってみんな応援に夢中。お店が開く時間には、商店街のお店の人や地元の幼稚園の先生や子どもたちも、小学生の走者にエールを送ります。
最後の子どもが新井校長とゴールするときには、子ども達と先生、PTAの親御さんも全員で頑張りに拍手を送りました。
新井 「持久走は健康に良いだけでなく、みんなが1つのゴールに向かって走りぬく、質の高い教育としての効果もあります。地域の温かさを感じることができますし、この持久走はぜひとも継続していきたいですね」
これまでの職場でもマラソンの活動に長く関わってきた新井校長。この持久走を企画し、巣鴨警察へ打診を行った際には当時の巣鴨警察の担当者から「そんなこと考える人ははじめて」とびっくりされたのだとか。
新井 「私が巣立った豊島区に貢献したいという想いがありました。縁があり、この小学校に来てすぐに『この商店街で子どもを走らせ地域の素晴らしさを味わわせたい』と強く思いました。地域の人たちからの温かい声を受け、子どもたちも一生懸命に取り組んでいますね」
仰高小学校では、ISS(International Safe School)の取り組みの延長としてG(Gyoko)-SDGsを掲げて取り組みを加速しています。現在は環境教育の一貫として、ヤゴの救出作戦やビオトープの活性化、緑のカーテン事業を保護者、地域、大正大学と連携して進めています。
新井「人にも自然にも思いやりのある学校でありたいですね。そして地域が優しく、自然にあふれている。そんなまちであるといいなと思います」
新井校長先生の夢と、仰高小学校の取り組み、そして地域みんなで取り組む持久走はこれからも続いていきます。
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